望むもの

私の望むものはなんだろう。

いま、この瞬間の望むもの。もちろん貴女と再び同じ時を過ごせたらと、その想いはあるけれど、それは決して叶わぬ願い。その上で、私の望むものは何なのだろう。


今日を生き、明日を過ごすであろう我が身に、何をかけるのだろう。毎週二回通うバーへ行くのは今や楽しみにさえなっている。

貴女がいなくなって、いつの間にか楽しむことを自分に許している。ただ、食の楽しみはなるべく避けている。美味しいものを食べるのが好きな貴女だったから。1日2食、お菓子は食べない。出来るだけ、同じものを食べるようにしている。昼は、職場周りに飲食店があまりないので、望まずともそうなる。夜はコンビニでおにぎりとサンドイッチ、バーに行く日は牛丼屋。出来るだけ金額もおさえる。これは昔からの癖、貴女が居た時からの癖。貴女と少しでも美味しいものが食べられるように、一人の時はお金をかけない。

お菓子も、貴女が好きだった。買って、一緒に食べた。だから、一人では食べない。貴女と一緒に食べなければ意味がない。


一緒に居られる大切な人が欲しいと思う。私の大切な貴女はもう居ないのだから、いま欲しいと思う大切な人は貴女ではない。貴女ではない誰かと、大切に思える誰かと出会いたいと思う。このことを、貴女はどう感じるだろう。貴女が居ないから求められていると知った、まだ見ぬ誰かはどう思うだろう。出会う前からそんな心配を。とらぬ狸の、と笑われるだろうか。

私なんかに伴侶はできないか。けど、貴女と一緒に居ることができた自分が なんか じゃ貴女に何より申し訳なく思う。貴女の見る目を下げてしまう。

「ままはちゃんとしたらブサイクなんかやないんやから」

貴女の言ってくれた言葉が頭に浮かぶ。貴女が居なくて、ちゃんとできてない私は苦笑を浮かべるしかない。


酒に酔うとろくなことを考えない。

どうやら私は、人並みな幸せを望んでいるらしい。