自分の写真

職場の入り口に一枚の写真が立てかけてある。


スタッフに事務所の清掃を促したもの。

同僚が私の座って仕事しているところを呼びかけ、

振り向いた瞬間を撮った写真。

それに吹き出しでセリフを書き入れたもの。


4年程前の私の写真。


見るたびに思う、

この時には貴女が家で待っていたのに。

今の私には、待ってくれている貴女がいない。

害のなさそうな鈍重な顔でこちらを見つめる4年前の私。



昔の自分の写真が目に入るたびに憎くなる。


お前は◯◯ちゃんの存在を当然に思っている

その意識があの子を苦しめたのではないか

お前が!私が!彼女を追い詰めたのではなかったか。


消えてしまえ!と今の私が過去の自分を呪う。

今の私は誰に呪われているのだろう。

今の私からの呪いが過去を経て、今の私に降りかかっているのだろうか。

昔の私も、今の私も、等しく呪われている。

解けない呪い。

絡めとられて、今日も意味のないもがきを繰り返す。



人は、私に関係なく幸せだ。

私に関係なく、不幸せな人もいる。

私も、誰に関係することなく、今日も不幸せなだ。


幸せをつかめ取れなかった男。

幸せを離してしまった男。

幸せをただ消費していただけの男。

人を幸せにできなかった男。

人の苦しみを見抜けなかったバカな人間。

愛する人を救えなかった愚か者。



昔も今も変わりなく、私は愚鈍です。