ともだち

映画を見た。テレビでやってたのを録ったビートたけし主演の『哀しい気分でジョーク』。たけし演じる人気タレントと、不治の病に罹った息子の話。


息子の病気を知り、父親としての役目を必死にこなそうとする。離婚した母に会わせるためオーストラリアに向かう。その旅行中、息子が自分の病気を知っていたことを明かされる。観光で見たコアラが何かに抱きついていないと不安になるということを知り、お前は誰にもだきつけなかったんだろ これからは俺に抱きつけよ と息子に語りかける。帰りの飛行機内で症状が表れ、 僕死ぬの、死ぬの怖いよ、一人で死んでくんだろ と呟く息子にたけしは バカヤロウ、抱きつけよ、俺に抱きつけよ と息子をしっかりと抱きしめる。


涙が出た。貴女は逝く時、一人だった。手を握ってやることすらできなかった。それが避けられなかったとしても、大丈夫、安心していいよ、俺はここにいるよと、声をかけることも、抱きしめることすらできなかった。

貴女は一人で逝ってしまった。



とここまで書いていたら、大学時代の友人から電話があった。少し前、貴方が居なくなって2、3ヶ月経った頃に一人耐えきれず電話をかけた友人。その時は出なくて、家族旅行中でみんな寝てるからとメールが来て、幸せそうでよかったとだけ返信してそのままになってた友達。

あの時出られなくて申し訳ない、と。私が生死の境に彷徨っているのではないかと心配しつつ、放置してたと。今日、貴方のことを伝えることができた。貴方も一度会ったことのある、大学からの、一番の友達。

相手は酒に酔っていて、私も今存分に飲んで居て。軽く、深く、色々話した。

どうでもいいこと、よくないこと。大学の時と同じ。それがとても心地よい。



貴方を一人でいかせてしまったこと、深みにはまるところだった私を軽々と救い上げてくれた。言葉を交わすだけで、救われるのだなぁ。意味のない会話が、意味ある結果を生むのだなぁ、と何となく思う。