暇でいる

人間、暇で死ぬことはないが暇な時間に死ぬことはできる。…なんてツマラナイことを真剣に考えてしまうぐらいに暇な時間を持て余す。


いや、暇ではない。

聴く音楽はたくさんあるし、この間買ってまだ聴いていないCDが数枚ある。本だって読んでないのはごまんとある。好きなことが、やりきれないほど目の前に積まっている。

掃除だって、整理だって、やろうと思えばできる。パンクした自転車を修理に行くことだってできる。


でも、やる気が起きない。何もせずにいたいけど、何もしていないとイライラしてしまう。

こんな時、貴女が居れば。貴女はまだ寝床で横になっているかもしれない。

不眠だった貴女は朝方に眠りにつき、昼間は布団の中。そのせいで休みの日に遊びに行けず悲しみ、喧嘩に発展したことも数知れない。


私はこんな気分の時、静かに貴女の横に潜り込む。貴女を起こさないよう、貴女にしがみつく。抱きつく。ほほぺたに唇をあてる。少しうるさそうに私を払いのける貴女。

貴女はやがて目を覚まし、私に時間を聞く。

夕方なら機嫌は悪くなる、私はなだめる。スーパーに出掛けよう、ビデオでも借りよう、寿司でも頼もう、貴女の気分を上げる。

まだ早い時間なら、貴女は少しベッドでスマホをいじったりしながら、ゆっくり身体に血を巡らす。やがて起き上がり、2人で朝食を食べながら録画した番組を見る。


今は1人きり。布団に潜り込んでも、体を寄せる貴女は居らず。朝食を食べるのも、テレビを見るのも、1人。

遣る瀬無い時間を過ごすのも、1人。


嗚呼、愛する人と過ごせた時間の尊さ。

いま、私は過去にそれらを無下に扱ってしまっていた報いを受けているのでしょうか。