無為無策

休みの日ごとに、本を読み、蚊に噛まれた箇所をひとつ、ふたつと数えるだけの生活。


私の生活は一気に老成してしまったかのよう。刺激のないことは苦にならない、と言えば嘘か。貴女が居た時は、穏やかながら、同時に貴女がいるという刺激が四六時中に私を楽しませてくれた。

貴女と出会い、供に過ごすようになってから、私が祖母祖父の葬式で数日実家に帰省して居た時と、貴女が祖父の葬式で久しぶりの規制も兼ねて1ヶ月九州に行っていた期間を除けば毎日、貴女と朝出会い、出掛けの挨拶を交わし、帰宅の挨拶、夕食、入浴、睡眠と共通の時間を過ごさないことはなかった。


7年間の時間を過ごして慣れ切った私が、この数ヶ月で一人の時間に沈みきっている。溶け込みはしたけれど、慣れることはない。

時間が有り余り、タバコを吸うことでしか無為な時間の流れを誤魔化すしかできないのがその証拠だ。



諦めるしかないのだろうか。諦めなかったところで元の生活に戻れることはない。過去を抱くことしかできない人間に未来はない。前に道はなく、後ろに道が続くだけ。引き返せることができるのなら!

やがて、そのうちに、また大切なものが見つかるかもしれない。その時はじめて、また私の前に道ができるのだろうが。貴女に対する罪悪感を胸に、人並みな幸せってやつを望む私がいる。

それはそれで仕様がないと思う。私はまだここにこうして居てしまっているのだから。


考えれば考えるだけ、生きる言い訳を導き出す。昔から言い訳だけは一人前やったからな。誤魔化す能にはもっと長けていたと思っていたけれど、どうも今回は誤魔化しきれない。



無駄と知りつつ、考えることで、数十分の時間を潰し、時計の針の遅さにぞっとする。