風邪をひいた

夕方くらいから鼻の頭に脂汗が浮き出し始め、徐々に喉に違和感を覚え始め、耳の下あたりの不快感を意識する頃には鼻水は止めどなく流れ出て、喉の違和感は痛みに変わった。


風邪をひいてしまった。

頭がフラフラする。家に帰っても一人。いつもと同じく絶望的。


風邪をひいて寝込んでいる貴女の姿がチラチラと目の前に現れる。

二枚重ねのマスクをした顔だけ布団から出して、熱で潤んだ目を枕元の私の方に向ける。

「あつい…」

「しんどい…」

細切れな一言を繰り返す。

「看病して」が風邪をひいた貴女の口癖。去年インフルエンザになった時、俺もすぐ後追いでインフルエンザになってしまって看病できなかったね。

おかゆさんと、栄養ゼリー飲料?やプリンを買って帰ると喜んだ。


今、看病してくれる人は居ない。けどそれより何よりも、看病してあげる人が居ないことが、ただただ悲しい。


頭がぼうっとする。