部屋の時間

私の部屋の時間は2月で止まっている。

少し正確さに欠ける。正しくは、私の部屋のカレンダーは2月で止まっている。


毎年、ディズニーリゾートでカレンダーを買っていた貴女。それを毎月めくるのが貴女の仕事。貴女だけに許された仕事。私がめくろうとすると、

「ぼくがめくるのよぉ」

と言って甘えたように怒る。だから私はめくれない。年末に買い求め、まずは全月のイラストを見る。

「7月はアリエル!」

お気に入りのキャラを見つけ、その月を楽しみにする。今年の分はイラストのものと、写真のもの、2種類を買った。イラストはリビング、写真はトイレに貼った。


貴女が居なくなり、何度もめくろうとしたけれど、その度に貴女がめくるのを楽しみにしていたことを想い、断念した。そして諦めた。私は永遠に続く2月の中で生活をする。

もう、9月。貴女は今年のカレンダーを一度しかめくっていない。貴女の仕事なのに。サボらないでやって欲しいものだと、強く、強く、想う。けれど、この仕事は貴女にはもう荷が重すぎるのか、半年の間、果たされぬまま。


夏が過ぎたよ。アリエルの月、楽しみにしてたんやないの? もう、過ぎてもたうたよ。

どれほど呼びかけようと、カレンダーは依然として2月を突き付ける。もう秋。じきにまた、2月になるだろう。