先人に学ぶ

仕事の合間に時間を作って、古本を買う。

岡本一平の、亡妻ものが目に入る。


かの子の記 小学館 昭和17年11月初版 函付き


最初は別に亡妻ものとは思わず、単に妻に関する随筆かなと思って中身を見ると、一編目に『けうはかのオンナが眠つてから十四日目である。』との文が目に飛び込む。

まだ、一編しか読んではいないが、妻が亡くなり、どうしようもない心持ちの中『逝ける妻を偲び剰って二世の約束を信ずる』ことで『悲壮な生の勇気が起つて来る』と自分を保つ。

来世での、もしくはあちらの世界での逢瀬を思い、現世の慰めとしている。そうすることでしか、結局大事な人を失った悲しみは誤魔化されることはない。そしてそれが誤魔化しでないと悲しすぎるほど理解してしまうと、私の場合は無気力に襲われた。



岡本一平、かの子は、芸術は爆発だ の岡本太郎の両親。この本の序文に一平は、太郎が入営して戦地に赴いていると記している。


本当、物欲のみに気を紛らわす。

私から人は離れるばかりで、寄ってくる者はもう居ない。