しなかった努力

いま、玄関にディズニープリンセス アリエルのお城のプラモデルの箱が飾ってある。以前片付けに来てくれた人が、これ可愛いね と言って飾ってくれた。

中身のプラモは、ほんの少しだけ組み立てられた状態で止まっている。貴女が何度も「アリエルのお城、作ってぇ」と言って頼まれたにも関わらず最後まで作らなかったまま。早く作ればよかった。見るたびに、申し訳なかったと言う気持ち、こんな些細なことですら満足させてあげられなかった哀しい気持ちになる。


こんな風に、しようと思うだけですぐにでも実行できて、やったことの努力の小ささにも関わらず、大きな貴女の喜びを見ることができたことが何と多いことか。

お寿司を食べに行けばよかった。花を買えばよかった。休みの日にドライブすればよかった。私の作った料理を食べてもらえばよかった。貴女がリラックスできるよう、ほんの数十分寝るのを遅らせて優しく頭を撫でればよかった。貴女の話をもっと聞けばよかった。貴女の好きな音楽を一緒に聴けばよかった。


ほんの少し、ほんの少しの、努力とも呼べないほどの行動で。


もう遅いのだ。全ては、もう、遅すぎるのだ。