私のことを

職場でiPodを落とした。そしたら職場の人に、音楽とか聴くんですか? と聞かれた。

多分あなたよりは音楽に比重を置いた生活をしてる、と別に嫌味でもなく思う。また、あなたが考えるともなく漠然とイメージしてる私の家のCDの量その50倍以上はあるよ、と何となく思う。

別にそんなことは言う必要もないし、思う必要もない。私が職場で音楽の話をしたこともないし、する機会もなかったから。私が音楽を聴くことが好きと知っている人は職場に2人くらい。好きなことや趣味、そんな人の人となりを知るに当たっての初歩すら、私は人とは交わしていなかったのだなと悲しいやら呆れるやら。自分は本当に人と交わってこなかったのだなぁ、と思う。人に心を開いてこなかったのだなぁ、そう思わされた。


私は貴女にしか心をすっかり開くことをしなかった。貴女にだけ分かってもらえていれば、それで良かった。

そう思っていた私は、貴女が居なくなって、私のことを知る人をゼロにしてしまった。この世界に私を知る人は居ない。私のことを知りたい人も居ないだろう。


私は貴女のことを知りたいと思っていたし、今も思っている。私はオタクなのだ。貴女のオタクなのだ。貴女のファンで、貴女のマニアで、貴女の崇拝者。

貴女は私のことを知りたがってくれたろうか。今となっては分からない。


私が貴女を愛したように、私を愛してくれる人は今のこの世にあるのだろうか。私は何処に身を置き、何処に向かい、何処で野垂れ死ねばよいのだろう。