寒い夜

北風の吹く寒い一日。

こんな寒い夜の日は、貴女の可愛い格好を思い出す。冬物の寝間着。分厚くて暖かいので、私の冬物のパジャマを着る貴女、ブカブカで、ズボンを胸の辺りまでずり上げる。そんな姿で部屋の中を行ったり来たり。ちんまりとした貴女が、まるで子どものようで。


一人寂しい夜は、貴女の可愛い仕草を思い出す。腕を走っている時のように小刻みに振り、上半身を前後に反らしたり前屈みになって揺らす。お尻もフリフリ振っている。そんな時の貴女の顔は口を開けて半笑い。その仕草が好きで、よく真似をした。

「まま、みてー」と私を呼んで、その仕草を見せつける。私が喜ぶのを知って、私に見せる。


外は身を切る寒さ。消防車のサイレンの音が遠く響いてくる。電柱に取り付けられた交通安全の旗が、パタンパタンと電柱に打ち付けられる。背後では、マンションの部屋でガスを使う音。頭上には、葉を擦り付けあう風に吹かれる木々の音。こんなにも音に満たされた夜だけど、貴女の笑い声が聞こえない。


こんなにも寒い夜なのに、貴女の温もりを思い出せない。