月半ば

この一ヶ月は比較的穏やかに暮らせた気がする。仕事が忙しくて疲れてたかもしれない。バーに通うようになって生活に少し変化がついたからかもしれない。とにかく、穏やかに過ごせたというのは良いことだとは思う。月をまたいでも、日にちのことは意識せずに暮らしていた気がする。一昨日や昨日くらい、ハッと意識する。

明日は、貴女の月命日。9回目の、月命日。


けれど、貴女のことを意識しなかった日はない。あまり、日にちが意味を持たなくなってきたのかもしれない。月命日だろうが、普通の日だろうが、貴女が居ないことには変わりなく、カレンダーの全ての日は、大切な、貴女と過ごしてきた日々だから。とりたてて、その日が重要なのではなく、全ての日が意味を持っているのだから。



今日は講習会に出席し、少人数相手の、狭い部屋での開催だったので、裏方の私はスクリーン代わりに投影されている白壁の脇、トイレのドアのすぐ横で、地面に座り込む。講習会半ば、ふと隣のトイレのドアのノブに目がいってしまった。そのすぐ横、地面にベタ座りの自分。急に貴女の最期の姿が目に浮かぶ。

最期の貴女が、私の中で私自身に重なろうとしている。急いで私は中腰になる。

こんな形で貴女を意識するのは本意ではない。私は、穏やかに明日を迎えたい。


ただ、明日を迎えようとする自分の、図々しさに嫌悪してしまう。


今日は帰りに貴女が好きそうなヨーグルトかゼリーでも買って帰ろうと思う。