昨日は月命日。

昨日は貴方の10回目の月命日。毎月、貴女が永遠に失われた時間、5時に起きて最期の場所であるトイレに向かって手を合わせる。

それが昨日はできなかった。


起きられなかった。だから貴女は私の手をすり抜けていってしまったのだ。


一昨日の夜は職場の人たちと飲んだ。そのおかげで起きることができなかった。生きている人たちとの相互の交わり、居なくなった人との一方的な約束。どちらが大切だとか、比べることには意味がないけれど、考えても、考えたとしても答えは出ないけれど。

約束を破っても、守りきっても、私が貴女に出会えることなんてもうないのだけれど。



最近やたらと腹が減る。脂肪がなくなったから、胃が空になった時に使うエネルギーが身内に残っていないからかもしれない。一番外側だったベルトの穴が、一番内側へと移動した。

私であった存在の数キログラムがどこかへと霧散した。私の数キログラムは、貴女のところへ行ったのだろうか。私の一部なんかではなく、私自身そのものを貴女の場所へと届けたい。


大切な時間に手を合わせることはできなかったけれど、貴女は私を迎えてくれるだろうか。


生きていたくはないけれど、今日も私は腹が減る。食べないなんてことはできなくて、今日も私は飯を食う。