全てが幻で

ボーナスが出た。貴方が居たら、とりあえず美味しいものを食べに行ってるだろうな。それかまずは貴方へのお小遣いかな。

どちらにしても、私の給与は貴方を中心にして使っていた。その貴方が居ない。その空白を埋めるように、高額な本を次から次へと。物欲と所有欲でもって、貴方の不在を埋めようと躍起になっている。


貴方は今の私を見たら、なんて言うだろう。ママばっかり欲しいもの買ってズルい! かな。それとも 好きにしたらいいよ って言うのかな。

もうすぐ、お正月。毎年、私は一緒に住む貴方宛に年賀状を出していた。ちゃんとポストに入れて。届くと貴方はとても喜んだ。貴方から私への年賀状は例年手渡し。色も使って、賑やかなハガキにして「はい」とすぐ渡してくれる。来年は、貴方からもらえる年賀状がない。私が出す年賀状もない。


今年の3日、初詣に近所の神社に行った。貴方が健康になりますように、そんなことを願ったと思う。神様は、信心深くない私の言うことなんて聞いてくれなかった。この一年が全くの夢ならいいのに。

はっと気付けば、今年の神社にお参りして拝んでる時だった、なんて。この一年が、神様の見せた一瞬の悪夢なんだったらいいのに。気付けば、貴方が隣に居てくれたらいいのに。


でも知ってる。私は知っている。

今一人で過ごす、この毎日が現実なんだってことを。


胡蝶の夢。

私の人生全てが夢であれかし。


私の存在が、全て幻であれかし。