外出はじめ

外出する。池袋。人の出が多い。普段と何ら変わりがない。電車も混んでいる。最近の正月はすごいな、と昔の人のように思う。全く正月らしさがない。店も普通に空いている。


貴女と過ごした正月は、いつも正月感が出ていたな、と今思うと感じる。おせちも食べたし、滅多に台所に立たない私が、自分が食べたいからとお雑煮を作る。貴女はあまり好きでないと言っていたが、少しだけは食べてくれた。


帰りの電車、目の前に座る恋人ひと組。彼女の方が彼氏とは逆に座る女性にもたれかかっている。彼氏の方はスマホをいじり無関心。貴女と2人電車に乗っている時、いつも私が寝るからと寝過ごさないよう貴女は起きていた。私が徐々に貴女と反対方向に身体が傾くと、ぐいっと自分の方に引っ張ってくれた。人に迷惑かけないように。

また、本を読みながら寝ていて、本が手から滑り落ちそうになるといつも本をぐいっと私の方へ倒した。

そんなひとつひとつ、何気ない想い出が苦しく胸を圧迫する。


貴女の不在が、本当に辛い。

何度も何度も、毎日毎日思うことだけど。

どうして貴女は居ないんだろう。


私も居なくなれば解決、はしないけど、悲しみはなくなるとは思っても。なかなか居なくなることはできない。私にとって、そんな簡単なことではない。簡単なことだと思えるよう色々考えるけど、考えれば考えるだけ難しくなる。

考えるから駄目なのか。


そんなことを考えながら、今日も物欲を満たす。けど、物欲をどれだけ満たしても、心の穴は埋まらない。