お風呂の声

外で煙草を吸う。

貴女が嫌いな煙草だから。部屋では吸えない。


どこかの部屋から、風呂場で誰かの歌う声が聞こえてくる。

貴女と私の、お風呂での楽しげな会話も外に聞こえたろうか。私と貴女の、風呂での怒鳴り合いも外に漏れていたろうか。

私が風呂場で泣くその声を、誰かが耳に入れたのだろうか。


私の嘆きの声は誰かが受け取ってくれたのかもしれない。けれど、私の嘆きは誰も引き受けてはくれない。単なる泣き言でしかないことはわかっていても。辛い、悲しい。


吐きそうになる程酒を飲み、自身を馬鹿にしてしまう。そして泣き言を書き散らす。

貴女は、どうして、居なくなった。そして、何故、ここに居ない。その問いかけは、静かに、悲しく、答える人がいないまま、部屋の中に消えていく。