諦めと堕落

貴女の夢を見た。

ベッド脇の床に座り、ベットに身体をもたせている。物憂げな貴女の頭を、私は恐々と撫でる。貴女は私の方にちらと視線を向け、また元のように物憂げな、けれどどこか安心した表情を浮かべる。


起きた時、私は嬉しい感情に包まれた。


だけれども、現実に貴女を撫でることも慰めることも抱きしめることもできはしない。私はとても寂しくなってしまったよ。



ここ最近まで、大切な人が欲しい、恋人が欲しい、そばにいてくれる人が欲しいと焦っていた。けど、そんなことどうでもよくなった。

今の、少なくとも今の私にとって、貴女を超える人を見つけられるわけもなく。

なぜ求めているかと言って、結局は自分の穴を埋めるためで。一緒に私の傷を見に行きたいだけで。

誰かにそれを強いるのは私のエゴで。私の傷を一緒に見ようと言ってくれる人が居たら別だけれど、そんな奇特な人が目の前に現れるわけもなく。私にそれだけの魅力があるわけでなく。貴女が一緒に居てくれたことで私の身を覆ってくれた人としての魅力も、貴女が居なくなった今では、もう剥ぎ取られてしまいました。


貴女が居てくれたことで燃え輝いていた私の日常も、今はくすんでしまい灰にまみれています。灰かむりの私に魔法をかけてくれる親切な魔法使いは居るのでしょうか? 居るとすれば、それは貴女でしかあり得ない。

貴女の微笑みが私に魔法をかけてくれていた。その笑顔も、もう写真に焼き付いているだけで。写真の貴女は、私に魔法はかけてはくれない。


私は、魔法使いを待つ灰かむり。日々埃にまみれ、生き、明日への期待だけを抱き、自分では一歩進めない。誰かの助けがなければ、幸せの場所まで行けやしない。